- 移住者の声
- 北野 真史さん・恵美さん
子供の少ない地域で少しでも役に立ちたい
2016年取材
夫婦と子ども4人の6人家族
北野 真史さん 出身 / 神奈川県 職業 / 総合建設業(社員) |
北野 恵美さん 出身 / 神奈川県 職業 / 専業主婦 |
よそ者扱いではなく、最初から仲間扱い
北野 真史さん
南砺市篭渡集落に来て4年目。 「世界遺産に住まんまい家(け) プロジェクト」に妻が応募したことが、移住のきっかけです。2次審査には落ちましたが、申込時に「相倉以外の地域に空き家があったら、移住を希望しますか?」というチェック項目に印をつけていたんです。そしたら、その候補に選ばれて、2件ある空き家のうちの1件に住むことになりました。
ここに来る前は、沖縄の石垣島に約8年住んでいました。仕事上の都合ではなく、地元から離れたところで暮らしてみたいと思っていたからです。沖縄には子どもが多いのですが、五箇山は子どもが少ないですよね。今回の移住は、子どもを必要としてくれる地域に住んで少子化に貢献したいという思いが、最大の動機でした。
引っ越し時に1番大変だったのは、家財の運搬。前例がなかったのか、引っ越し屋に見積もりを断られたんです(笑)。そこで、五箇山でも使えそうな車を買って家財道具をぎゅうぎゅうに積め込んで、東京までフェリーで運びました。それから横浜の実家に寄って荷物を減らして、五箇山まで運転してきたんです。
空き家は、すぐ生活できる状態でした。ただ、五右衛門風呂は沸かすのに時間がかかり、温度調節ができないので、ユニットバスにリフォームしました。この空き家は建物を譲ってもらった形なので、リフォームしてもOKなんです。
ここに来て最初に驚いたことは、すぐ仲間に入れてくれたこと。沖縄の時に住んでいた地域は、よそ者は地域の集まりには入れなかったので、いきなり獅子の練習に呼ばれた時は、すごく嬉しかったですね。すぐに溶け込める環境がありました。獅子の練習の他にも、田植え上がりの温泉や新年会など、集落内での集まりが頻繁にあり、そういった場所でお酒を飲み交わす間にだんだん仲良くなることができましたね。
今も集落の人たちに対しては、「こんなことまでしてくれるんだ」と思うことばかり。皆さんのおかげで何不自由なく暮らせています。そんなふうに人とのつながりを深められているのは、地域の会社に勤めたことも大きかったと思いますね。会社のメンバーが地域の消防団のメンバーと同じなんです。また、集落内には同じ時期に、もう1つの空き家に移住された同世代の浦田さんがいます。その存在も心強いですね。
雪は苦どころか、テンションが上がるぐらい。昔からスキーが好きなんですよ。冬の日曜には、勤務先(スキー場)に子どもを連れて行くことも多いですね。子どもたちも雪のある環境を楽しんでいますよ。ある日、仕事から帰ってきたら、家の前にお化けみたいなものがあって。よく見たら、娘が作った雪だるまでした(笑)。これからは、五箇山に子どもが増えるような活動に携わることができたらいいですね。やはり、子どもは宝なので。
優しさに包まれて、心地よい暮らし
北野 恵美さん
引越は大変でしたが、小学校や保育園の手続きなどは行政の方が協力してくださったので本当に助かりましたね。来る前から小学校も保育園もウエルカム状態でしたが、実際に初めて来た時も皆さんの優しさに驚きましたね。おかげで、私も子どももすぐ馴染むことができました。
うちには子どもが4人いるので、うるさくてご迷惑だろうなと思う時があります。それでも皆さんは「子どもの声がするだけで気分が明るくなるわ」と言ってくださるので有り難いですね。1番下の子が生まれた時に見に来てくださったことも嬉しかったです。また、子どもにとっては、雪もスキーもコタツもストーブも初めて。色々なことを経験させられたことも嬉しかったですね。ひとつだけ残念なことは、子どもを預けられる人がいないので、なかなか婦人会に参加できないこと。これからは、もっと参加できたらいいなと思っています。
ここに暮らして4年目になりましたが、今もずっと住み心地がいいですね。それは、いい人たちに囲まれているからだろうなと思っています。