多世代が活躍できる、「農業の新しいカタチ」を目指して 森田 英さん

多世代が活躍できる、「農業の新しいカタチ」を目指して

2026年取材

プロフィール
森田 英さん 出身 / 石川県金沢市 職業 /

他業種から農業へ転身。下積みから独立へ。

 森田さんは運送会社で約10年間勤務していた時期があり、配達先の稲作法人の代表と顔を合わせるうちに農業に関心を持ち始めたという。退職後、33歳〜34歳にかけての約14ヶ月間、海外一人旅を経験。帰国後、別の仕事に就いていた時期もあったが、やはり農業をやってみたいという想いがあり、奥様に背中を押される形で移住を決断。「最初はもう米も野菜も果樹も全部やりたいと思って。その理想に合った福光の農家さんで3年間修行させてもらいました。」と森田さん。当時、代表からかけられた「スローライフではない。覚悟がいるぞ。」という言葉が印象的だったという。
 その後、とやま農業未来カレッジで1年間学び、令和3年に蓑谷地区で独立。森田さんは、「実はうちはトラクター持ってないんですよ。農地も借りている。何でも自分で所有するという考え方ではなく、地域と連携することで可能になることがあるという考え方です。」と語る。それによって初期投資を抑えることができたという。作物の選定の際も、この考え方を生かした。県の野菜振興担当者などと相談を重ね、地元の農協が推奨している青ネギとにんにくに絞ったことで、栽培指導も受けられ、機材も借りることができる。周囲の力を借りながら、5年で売り上げを11倍に成長させ、令和7年度には富山わくわく農林水産奨励賞を受賞した。

覚悟を持てば応えてくれる土地と人がある

 5〜12月の繁忙期には約40名の季節パートを雇用。地元のシニア・主婦層、『富山あぐりマッチボックス』での募集が中心で、リピート率も高くコミュニティー化してきているという。「人によって得意不得意は様々。うまくいかないことがあっても、それを人や天候のせいにせずに、仕組み化することで解決を目指します。」と森田さん。仕組みで再現することができなければ、移住者も農業の担い手も増えていかないという本質課題と向き合っている。「仕組みの再現性を高めることで、新規就農者から定年退職者まで多世代が活躍できるチームをつくり、地域に価値を残す新たな農業プラットフォームとして成長していきたい。」大きな目標と共に、森田さんの挑戦は続く。