- 移住者の声
- 大島 未鈴さん
井波彫刻と風土に魅せられて 新天地で芸術の腕を磨く
2024年取材
大島 未鈴さん 出身 / 埼玉県 職業 / |
学生時代に井波を訪れたことがきっかけ
「子どもの頃、親が粘土でアニメキャラクターを作ってくれたのが嬉しくて。それからずっと、ものづくりが好きなんです。」屈託のない笑顔でそう語ってくれた大島さんは、若干23歳の人形作家。学生時代から立体アートの世界で頭角を現し、高校生の頃には陶芸作品の大会で埼玉県の県代表に選出されたことも。進学先の女子美術大学でも立体アートの学びを続け、学びの一環として全国的にも有名な井波彫刻に触れるために、大学3年生の頃に初めて井波の地を訪れた。その際、ハイレベルな彫刻作品が街中のいたるところに点在している様に驚き、アートが生活の一部として根付いているこの町への移住を考えるきっかけになった。
大島さんが現在主に手がげているのは、球体関節人形と呼ばれる創作ドール。大島さんは、「創作ドールは、美術の世界ではまだまだ趣味扱いされてしまうジャンル。だけどこれを、井波彫刻のような『芸術』に昇華させたいと思っています。」と意気込みを話す。現在は南砺市内で働きながら、井波地域で購入した築100年の古民家を住まい兼制作場所として研鑽に励んでいる。ゆくゆくは、その古民家をお店として開放し、ギャラリー、ワークショップの開催、喫茶など、多くの人に立ち寄ってもらえる場を作りたいという構想も。
八日町通りの朝市を復活させたい
ご近所の人たちから野菜や米をおすそ分けしてもらったり、家の修繕を手伝ってもらったり、あたたかい地域性に支えられているという大島さん。彫刻芸術と町の人たちのぬくもりがあふれるこの地で、今後取り組んでみたいことの一つとして、八日町通りの朝市の復活を挙げた。毎月8がつく日の朝市で、現在は地域の高齢者が時折開催している。「はじめはボランティアとして参加しながら、出店者を募ったり、自分にもできる内容で出店したりしながら、町の賑わいづくりに貢献できたら」と語ってくれた。大島さんの今後の活躍が期待される。